2013 March Atlanta Brasilia Rio de Janeiro

Atlanta

 
 
 
遠い遠いブラジルに向けて成田を出発。アトランタまで14時間もかかることにまず驚く。先週パリか ら戻ったばかりなので、何だかずっと飛行機に乗っているよう。本当に久しぶりのアメリカ。この乾いた空気感と何とも言えない開放感はどこから来るのか?コ カ・コーラ、デルタ航空、CNNとアメリカを代表するような企業の本社があり、アトランタオリンピックの記憶も新しいので、とてつもなく大きな BIGCITYを想像していたけれど意外に静かなひっそりとした都会、という印象。

 

Atlanta

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マルセル・ブロイヤー設計のAtlanta-Fulton Public Library。時代を感じる懐かしいようなコンクリートの仕上がり。黒人がとても多く図書館とはいえ印象的に静か。円形のトップライトがコンクリートの肌に美しい陰影をつけ、階段は大きなオブジェのよう・・・。

 

Atlanta

 
   
 
 

アトランタといえば車産業、というのが私の持っていたイメージ。空港へ戻る道からは見渡 す限り車が並ぶ光景が延々と広がる。アメリカは国土が広く本当に車社会である事を来るたびに感じる。まるで絨毯のように続く車、車、車・・・。空港のパブ リック・アートも車の廃材を使った作品たち。

 

Atlanta

 
 
ここアトランタはデルタ空港のメインエアポート。延々と広がる滑走路、一体1日にどのくらいの便が 離着陸するのだろう?ブラジリアまで再び9時間半も飛行機に乗ると思うと気が遠くなりそう。サロンののネット環境はさすがにアメリカ、全てにおいて至れり 尽くせり。冷えたカリフォルニアワインはとても美味しいけれど、人参とセロリが大量にあるだけ・・・。パリのエールフランスのラウンジが恋しい。

 

Brasilia

 
 
日本から延々に飛行機を乗り継いでとうとう初めての南半球へ。ブラジルの首都、ブラジリアに到着。首都の国際空港とは思えない、リゾートのようなオープンエアーの空港ロビー。亜熱帯を感じる独特の匂い・・・。

 

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1955年、当時のクビチェック大統領はブラジル中央部の荒涼とした大平原に新首都を建設するというユートピア構想を発案、「50年の進歩を5年で」というスローガンの下、世界でも類を見ない「過去を持たない首都」が誕生した。ルシオ・コスタとオスカー・ニーマイヤーというブラジル建築界の巨匠を起用し、「パイロット・プラン」というコンセプトに従ってジェット機型に整えられた区画に奇抜な建築郡が展開された。1987年にはユネスコの世界遺産に登録された。

 

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パイロット・プラン=プラノ・ピロットというジェット機形に区画された中心地区、ホテルはホテル地区、銀行は銀行地区、官庁舎も同じくひとつの地区に一列に並ぶ。

 

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ブラジリアの象徴とも言われるオスカー・ニーマイヤー設計の大聖堂、カテドラル・メトロポリター ナ。16本の支柱をぐるりと壁面に巡らせた王冠のようなフィルムは、「カテドラル」の常識を覆す斬新なデザイン。長い間、写真集などで見ていた強烈な光景 が目の前に迫ってくる・・・。

 

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Brasilia

 
 
陽の薄いヨーロッパから来ると、正に南半球を体感するような陽射しの強さと、カテドラルというイ メージとはかけ離れたフォルムの教会。海をイメージさせるかのようなステンドグラスの眩しい青。全てにブラジルのスケールの大きさと、ヨーロッパとは全く 違う感性にしばし茫然・・・。

 

Brasilia

 
 
36mの高さの天井から吊り下げられている3体の天使のモビールは、聖堂入り口に並ぶ使途像と同じく、セシアッティの作品。強い太陽の下、聖堂に入る暗い導入路を抜け、再び抜けるような青い大空間へ・・・。

 

Brasilia

 
 
同じくオスカー・ニーマイヤー作品の国立図書館。曲線に目が慣れてしまった後だけに、「普通の建物の形」に何だかほっとする。

 

Brasilia

 
 
 
 
 
 
 
 
カテドラル・メトロポリターナに隣接するオーナメントのような建物はブラジリア国立博物館。巨大な球の中に入ると、まるで風船の中に入ったような不思議な感覚。展示内容を見るよりも、空間を体感するテーマパークのアトラクションのよう・・・。

 

Brasilia

 
 
 
 
 
ブラジリア建設の父と呼ばれるクビチェック元大統領の墓所、クビチェック大統領記念館。巨大な棺を 思わせるフォルム、周囲には水がたたえられ、まるで水面を割るように造られた階段を降りて館内へ。抜けるような青い空にモニュメントが美しく映え、建造物 というよりその広大な景色に感動する。

 

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医者の経歴を持つクビチェック元大統領の蔵書は3000冊にもおよび、1955年に建設を開始した 頃の打ち合わせ風景の写真などは興味深い。若かりし日のオスカー・ニーマイヤーの姿を見つける。照りつける太陽と対象的に落ちついた執務室。ウィンター ガーデンのように天窓から降り注ぐ太陽が眩しすぎて、館内に目を戻すと真っ暗に見える。こんな体験も初めて・・・。

 

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2階には天使の描かれたステンドグラスの天蓋に守られて棺が安置されている。クビチェック元大統領 の所持品やコスチューム、数々の功績を讃える思い出の品々が展示されている。ブラジリアが建設されて行く当初の写真は興味深く、本当に何もない荒野にゼロ から首都を建設するという、その勇気とバイタリティそして統率力は他に類を見ない。それにしても、いくらなんでも暗すぎる。オスカー・ニーマイヤーのデザ インによる展示什器も美しいけれど良く見えない・・・。

 

Brasilia

 
 
 
ブラジリアは完全な計画都市なので他の都市のようにそぞろ歩きの楽しみが無い。食事やショッピング はそれを目的としたビルの中に一群で入っている。なんとかブラジルらしい食事を、と思っても「ホテルエリア」の近くに数件あるのみ。どのガイドブックにも この2軒しか載っていないので、2晩ともココでいただく事になる。食前酒にはCacaca(カサーシャ)というサトウキビのジュースをベースにした蒸留酒にライムを 入れたもの。何とも爽やかで、灼熱の太陽にさらされて火照った喉には嬉しいアペリティフ。Polenta(ポレンタ)はイタリアにもあるトウモロコシのパ ンケーキのようなもの。Pao de Queijo(ポン・デ・ケージョ)はチーズをお芋の粉に混ぜて焼いたもの。どれも本当に素朴・・・。

 

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外国人のビジネスマンや観光客はこのたった一軒のレストランに集まらざるを得ない。広大なレストラ ン、アメリカにもなかなか無いような規模に驚く。Churrasco(シュハスコ)と呼ばれるブラジル風バーベキュー。それを供する店をシュハスカリアと 言うそう。店内を回っているウェイターが、牛豚鳥、とさまざまな種類の肉の、さまざまな部位を持って来るので、お好みで切り分けてもらう。サイドディシュ のサラダなどはバイキング形式。ブラジルらしく椰子の茎や、ベイクド・バナナなどがあって意外にもこってりしたお肉にとても合う。それにしても全てにダイ ナミックというより、大味な感じ・・・。少し気後れしてしまう。

 

Brasilia

 
 
ブラジルらしく豆の煮込みや、お米のサイドディシュ、スプラウトのような見たことの無い野菜、チー ズもヨーロッパとは少し違う味わい。どれも珍しくて美味しいけれど、初めての南半球、照りつける灼熱のブラジルの太陽、想像を超えたオスカー・ニーマイ ヤーの奇抜な建築郡、広大な都市計画のヒューマンスケールを超えた大きさ、さまざまな要素が入り混じって、何だか目が回りそう・・・。

 

Brasilia

 
 
 
 
長い長い一日が終わる。初めての南半球、初めてのブラジル。でもそんなことよりも「世界のどこにも 無い徹底した計画都市」という事に本当に驚く。「過去という歴史の無い首都」・・・。どの国のどの街に行っても、さまざまな要素が混在して何とも言えない 魅力を醸し出しているものだけれど、ここブラジリアにはそのような魅力は皆無と言える。クビチェビッチ元大統領の下、建築家ルシオ・コスタによるパイロッ ト・プランと呼ばれる都市計画、オスカー・ニーマイヤーによる奇抜な建築群。まるでコンピューター・グラフィックのような景観に、ヒューマンな感情の入る 隙はない・・・。

 

Brasilia

 
 
レストランからホテルに戻る道も、パイロット・プランの広大な道幅。途中の公園も「緑地」というエ リア。偶然、という事の全く無いこの街。全てにヒューマンスケールを越えていて、何もこんなに大きな噴水を作らなくても・・・。でもニーマイヤーの作品で 無い、という事に妙にほっとする。

 

Brasilia

 
 
ジェット機型をしたブラジリアの機首に当たる部分にある広場は、三方を国会議事堂、最高裁判所、大統領府に囲まれている。国会議事堂自体は地下にあり、このコンピューターグラフィックのようなお椀とタワーは飾りもの、ということに驚く。

 

Brasilia

 
 
気温の変化の激しいブラジルでは安定した地下の環境を使うことで、空調に頼らず室温を快適に保てる。また周りに水盤を張り、気化熱で冷気を取り込むなどニーマイヤーのデザインは奇抜なだけでなく、ブラジルの気候に合うように考え抜かれているとか・・・。

 

Brasilia

 
 
それにしても暑い・・・。「暑い」と言うより「熱い」というほうがピッタリなこの照り返し、巨大なスロープを呆然と歩く。お椀に近ずくと本当に焦げてしまいそう。写真を撮ろうにも眩しくて見えない。画像を確認しようにも画面が真っ黒に見えるだけ・・・。

 

Brasilia

 
 
ニーマイヤーのデザインの意図通り(?)、灼熱の照り返しを抜けて地下に入るとそのしっとりした冷 気が何とも心地よい。国会議事堂のロビーだと言うのに何だかアートギャラリーのよう。太陽光が後ろから差し込むの採光のシステムも目に優しく、ブラジルの 特産のタイルと植物の組み合わせも涼しげ。

 

Brasilia

 
 
 
コレだけ?と思われる一応のセキュリティーチェックを終え議事堂内に入る。パリの共産党本部のインテリアを思わせるニーマイヤーお得意のインテリア。金属の白いパネルを幾重にも組み合わせてその上からライティングする。何とも不思議な空間・・・。

 

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歴代の政治家のポートレイトが並ぶギャラリー。記念撮影するブラジル人家族も居てやはり首都らしく、地方からの見学客も多いよう。

 

Brasilia

 
 
 

三権広場の一翼を担っている大統領府。軽く浮いたカードボードのような建築。照りつける太陽も正午になって真上に!どこにも影がない上、ヒューマンスケールを越えたプランのため道幅も広すぎて近くまで行く事が出来ない・・・。

 

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お濠を思わせる広大な水盤を周りにめぐらせた外務省。これもニーマイヤーお得意の気化熱で冷気を取り込むと言うシステムらしい。ブラジルらしい野性味溢れる植物が茂る。何だか菖蒲園のよう・・・。

 

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外務省の建物の機能と言えば各国の要人をもてなす場であるわけだけれど、無柱の白く広い空間の真ん 中に、まるで天国にでも続いていそうな印象的な螺旋階段。晩餐会の時にはこのフロアでアペリティフでも振舞ったのだろうか?奥にはまるで秘密の花園のよう に庭園が続き、どの角度から撮っても絵になる贅沢で美しい空間。

まるで宙に浮いたようなこの螺旋秋段。「階段」自体をこんなに美しいと思ったことも初めて。そしてこんなに階段の写真を撮ってしまった・・・。

 

Brasilia

 
 
 
螺旋階段を登ると2階は歴史的調度品を並べた大空間が広がる。そしてその上にはブラジリアのパイロット・プランを一望できる屋上庭園へと続く。

 

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それにしてもすごい眺め・・・。省庁を「省庁郡」とするように一箇所にまとめ、国家の中枢機能の全 てを機能的かつ合理的に整然と並べ、徹底的に効率を追求した人工都市。首都の機能に何を求められているか?と言う問には最高の答えなのかも知れないけれ ど、人間には「感情」があってロボットではないから・・・。

 

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さすがに首都とあって大統領官邸の見学はツアーが組まれている。待っている間にさっきまでのお天気 がウソのような激しいスコールに変わる。待合のテントの屋根は水の重さで垂れ下がって来るし、湿度が急に上がったせいか蚊がキンキン飛んでいるではない か・・・。私達のグループは結局バスから降りずに見るだけとなり、何だかほっとする。官邸の広大な庭には果実園もあり、ブラジルの中部パンタナールという 大湿原に生息するというウリ坊のような動物、カピパラを発見!普段動物の写真などあまり撮らないけれど、あまりにも「人工的な巨大な建物」ばかり見続け て、目が「自然の小さな生き物」に吸い寄せられたのかも知れない・・・。

 

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これがクダンの「省庁郡」。各省庁がお隣の建物なのだから効率よく国家運営が出来るという事か?
 

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法務省の建物も外務省に似たアーチを型どったファサードと周りの水盤。段違いに落ちる水が涼しげ。 それにしてもどの建物もジャングルを擁するブラジルらしく、水盤に南米特有の植物がダイナミックに生い茂って、コンクリートの冷たい印象に少しだけヒュー マンテイストをプラスしているように思う。
 

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三権広場に戻ると最高裁判所がある。午前中に見た大統領府と区別が付かない・・・。それもそのはず、三権広場を挟んで相対する位置にあるので、シンメトリックに、ということなのか?・・・。
 

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オリンピックの聖火台のようなデザインのこの美術館。ルシオ・コスタの都市模型があると聞いて来たけれど、現在は展示されて居らずがっかり。でももう「人工のモノ、人の作ったモノ」はいいかも・・・。自然の森が恋しい。
 

 

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三権広場にあるインフォメーションセンター。なるほどニーマイヤーの言う通り地下に入るとひんやりして気持ちが良い。ブラジリアの資料を色々頂く。
 

 

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インフォメーションセンターを出ると、クビチェック大統領の横顔が唐突に突き出している大統領記念資料館。外観の不思議なバランス、細く長い空間の両サイドを細い窓で採光しているのというのが面白い。それにしてもあまりも唐突な大統領の横顔。

 

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夕暮れの時を迎え、空の色の微妙な変化をバックにニーマイヤーの巨大なモニュメントのよ うな建物の姿が浮かびあがり、本当にコンピューターグラフィックで作った画像をの巨大スクリーンで見ているよう。現実の建物それも首都という事が信じられ ない。「過去を持たない首都」。何だかジャック・タチの映画を思い出す。

 

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ブラジリアの2日目も無事に終了。あまりにたくさんのもヒューマンスケールを越えた巨大な建物を見続けたせいか、もうずいぶん長くブラジリアにいるような気がする。ライトアップされたニーマイヤーの建物たち・・・。街全体がテーマパークのよう。

 

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コンピューターグラフィックのような街、ブラジリアを後に空港へ。環状線で少し街を出るとそこには 見慣れた風景、市場がある。何だか嬉しい!ブラジルらしい椰子の瓶詰や全てに大きな果物たち。ブラジルでは何でも巨大化するのかも知れない・・・。TAM 航空の国内線でリオ・デ・ジャネイロに向かう。

 

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約2時間半のフライトでリオ・デ・ジャネイロに到着。ブラジリアと同じく、オープンエアーの空港ロビー。天井が高く風は吹き抜けてとても爽やか。レンタカーも意外にスムーズでハーツの事務所も熱帯の植物園のよう。見たこともない植物達がお出迎え!

朝一番の飛行機に乗ってリオ・デ・ジャネイロ Rio de Janeiro へ。このリオ・デ・ジャネイロという地名はポルトガル語で「1月の川」という意味。1502年1月、グアナラバ湾を発見したポルトガルの探検隊がこの湾を川と勘違いしたことに由来するとか。

 

 

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久しぶりに「ヒューマンスケールな過去のある街」。普通の街並みが目に染みる・・・。そんな余韻に浸る間もなく車でリオの郊外にあるニーマイヤー邸に向かう。

 

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ブラジリアからは想像もつかない美しい自然に囲まれた山を見ながら海岸線を校外へと走る。ジャングルの様な森の小道を行くとニーマイヤー邸の門に着く。ワニが出てきても驚かないような正にジャングル。鬱蒼と生い茂る木々、湿度の高い濃いみどりの匂い・・・。

 

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管理人さんにご挨拶をして門を開けて頂く。写真で昔から見ていた「はるか遠い南半球のブラジルにあ るオスカー・ニーマイヤーの自邸」が目の前に広がりしばし呆然とする。静かに佇む主を失ったこじんまりとした巨匠の自邸。プールの水面が風でかすかに揺れ ている・・・。何とも神秘的で森の妖精でも出てきそう。

 

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昨年の12月に104歳で亡くなったニーマイヤー。ピロティの下のガーデン・チェアや室内のテーブルなど、まだまだ生前の余韻が残っている。

 

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建物の周りに生い茂るさまざまな種類の木々と植物。パリと東京から来た私には既にアマゾンの奥地に 居る様な気分。ブラジリアのような「人工都市の巨大でシンボリックなモニュメント建築」を作った建築家の自邸が、こんな「大自然に囲まれた小さな家」であ ることに驚くと同時にほっとする。美しく神秘的な雰囲気に立ち去り難い・・・。

 

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傾斜地の大きな敷地に小さく建つこの家。門からの緩やかな坂を下るとプールが見えるアプローチ。深く濃い緑に囲まれた神秘の泉のよう・・・。

 

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ニーマイヤー邸を後に再び海岸線を走る。フランス人の建築家、クリスチャン・ド・ポルツァンパルク Cristien de Porzampaec 設計による巨大なコンサートホールを見る。主人がパリで彼の事務所に勤めていた頃、奥様のエリザベートさんはブラジル人なのでヴァカンスをブラジルで過ご されていた事を思い出す。いつもはフランス人らしいニュアンスのある設計だと思う氏の作品も、ブラジルの熱い太陽の下で見ると何だか静か過ぎる?そして大 きさだけはこんなに巨大に!

 

Rio de Janeiro

 
 
世界3大美港を持つこのリオ。コパカバーナなどの華やかなビーチ・リゾートを擁する海岸地区。複雑に入り組んだ海岸線はブラジル屈指の美景と言われる。そびえ立つような岩山とのコントラストが美しくつい上を見上げてしまう。運転も怪しい・・・。

 

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巨大な岩山を貫通しているトンネル。主人がスイスに住んで居た頃に良く通ったゴッタールドトンネルを思い出す。短い距離でも何だかコワイ。

 

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ヨーロッパの影響を色濃く受けるリオ発祥の地、旧市街を歩く。「そぞろ歩き」の楽しみも久しぶり。市立劇場 Teatro Munincipal と向いに建つ国立美術館 Museu national de Belas Artes 。パリのルーブル美術館を模して1908年に建造されたもの。ポルトガル王室がリオ遷都当時に持参した絵画などが展示されている。ヨーロッパの街並みを歩いているようで何だかほっとする。

 

Rio de Janeiro

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サンバのリズムよろしく騒がしいレストラン、そして何故だか照明がとても暗い。ブラジル最後の夜なのでゆったり過ごしたいとホテルのプールサイドでアペリティフ。やっぱり弱虫の私・・・。爽やかな風とリオの街が見渡せるプールサイドでようやく安心。

 

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ホテルのレストランは観光客向けに少しアレンジしてあるので「地元のモノそのまま!」というモノに 弱い私にはちょうど良い。過去にアジアで何度も「地元っぽいところ」に行ってはやられてしまい熱を出したり、寝込んでしまったりした。旅の反省を活かして すっかりおとなしい最近の私。お魚のスープ、ペイシャーダ Peixada やジャンブーというちょっと舌が痺れる葉を炒めたピラフなど。エビのクリーム煮は明らかにフレンチ?このくらいが私にはちょうど良いのです。

 

Niteroi

 
 
抜けるような空の下、海岸線走りニテロイへ向かう。コパカバーナに代表される華やかなビーチ・リゾートらしくリゾートマンションが立ち並ぶ海岸沿い。海の水も美しく波打ち際の砂がキラキラ輝いている。

 

Niteroi

 
 

照りつける太陽も、目の前に広がる美しい海と乾いた空気感であまり暑く感じない。皆椰子の実にストローを差して飲む。その昔、ラオスの首都ヤンゴンでメコン川沿いの外国人記者クラブで病み上がりに飲んだ椰子の実の味を思い出す。

 

Niteroi

 
 
ニテロイ市民が「空飛ぶ円盤」Disco Voador と呼ぶニテロイ現代美術館 Museu de Artes Contenporanea de Niteroi が見えてくる。オスカー・ニーマイヤーとエンジニアのブルーノ・コンスタリーニの設計によるこの現代美術館。ニーマイヤー自身は「花」をイメージしたと 語っているそうだけれど・・・。真っ青で広大な海をバックにまる宇宙船が岩山に降りてきたかのようなその景色は本当に圧巻。

 

Niteroi

 
 
 
 
 
 

 

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美術館の内部もニーマイヤーらしい曲線の空間。真っ青な空と灼熱の太陽に照らされた眩しい海を、白くひんやりした空間から眺めるのはとてもシュールな空間体験。ミュージアムカフェに入ると本当に宇宙船の中にいるよう!

 

Niteroi

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あまりにも不思議な白くひんやりした空間体験の後、今度は太陽が真上にある時間に真っ赤なスロープを降りる。影が無い以前に、歩くスロープが真っ赤か・・・。

 

Niteroi

 
 
ニテロイからリオに戻る途中、オスカー・ニーマイヤー財団に立ち寄って見る。昨年末、105歳を目 前に亡くなったニーマイヤー本人が竣工を見届けた最後の建物だと言う。104歳、そしてそれが自分の名前を冠した財団だと言うのだから驚く。まだオープン していないらしく管理している方がさまざま説明して下さる。再び灼熱の太陽と真っ白な球体。パリにあるニーマイヤーの作品、共産党本部のような白い半球が ポコポコと・・・。あまりに強い太陽と白いポコポコの反射で目がくらみデジカメで撮影した画像が真っ黒に見えて確認できない。多分撮れている?

 

Niteroi

 
 
 

 

Niteroi

 
 
 

 

Niteroi

 
 
 

 

Niteroi

 
 
ブラジル最後の見学がニーマイヤー財団と言うのはこの旅を象徴しているよう!ブラジル、というより「ニーマイヤー帝国」を旅したような気分。好き嫌いを通り越して全てにおいて「圧倒的」というボキャブラリーがぴったりなニーマイヤー作品の数々。一路空港に向かう。

 

 

Rio de Janeiro

 
 
ブラジリアでは「ちょっと地元のお菓子でも」という事も出来ないけれど、ここリオは普通の街。街角にあるスナックの売店ですら楽しそうで興奮する。ブラジルの代表的なスナック、ポン・デ・ケージョ Pao de Queijo という芋の粉を丸めて焼いたチーズパン。コシーニャ Coxinha と呼ばれるブラジル風コロッケを買い車中でランチ。何だかとても美味しく感じる。そして素朴・・・。

 

Atlanta

 
 
リオ・デ・ジャネイロからTAM航空でブラジリアへ飛び、ブラジリアから9時間半、ようやくアトラ ンタに到着。行きの様に街に出る気力はさすがにもう無い。DELTA航空の巨大なラウンジのホテルのようにゆったりしたシャワー、アメリカらしいサーヴィ スにほっとする。でもあまりにも巨大でシャワーからドリンクサーヴィスまで、もう足が痛くて歩けない。

 

Atlanta

 
 
このアトランタで東京行きまで7時間半も待つ。その先、14時間も飛ぶのかと思うと気が遠くなる。 ここアトランタはコカ・コーラの本拠地。数あるコーラの種類の画面をタッチすると全てのコーラが無料でサーヴィスされる。メガサイズのマイボトルにジャブ ジャブとコーラを「汲む」、ジャイアントなポリスマン!アメリカらしくタコスにコーラも久しぶりで楽しい。搭乗はまだまだ先・・・。

 

Atlanta

 
 
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